苦しかったときの話をしようか
親から子への強烈なメッセージ
最初、題名を見たときに、苦しかった・辛かったときがあり、それをどう乗り越えたかが書かれている本だと思っていました。
確かにその内容もありました。
しかしこの本はサブタイトルでビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」とあるように、キャリア構築、セルフブランディングの本でした。
私の場合、それだけに止まらず、子供を持つ親として、子供に何を教えられるだろうか、何を残せるだろうかを考えさせられる本でもありました。
いずれにせよ、本書は素晴らしいと思います。一般的なキャリア構築、セルフブランディングの本とは熱量が違う。これも子を思う父親だからこそなんだろうと思います。
全体の構成
本書は自分なりの素晴らしい人生をいきていくための考え方、戦略を紹介しています。
自分の内面を知り、強みを生かして、価値を提供して素晴らしい自分になっていくというストーリーです。
著者はよく「パースペクティブ」という言葉をよく使っています。自分の経験から自分の主観でモノを言っているということを認識して伝えています。
こう言ったことを言わずに自分の経験のみでモノを言っていてそれのみが正しいように言う人よりは信頼性が高いと感じます。
やりたいことがわからないのはなぜか
やりたいことがわからないのは、自分の内面をしっかり理解していないからで、自分の内面を理解し、軸を持つようにすべきと説明しています。
その軸を基準にしてやりたいことを決める、「今」の価値観を基準でやりたいことを決めることが大事と説明しています。
自分のことを考えても、若い頃と今ではやりたいことの軸(エンジニアリング技術を学び問題を解決する)は変わっていないですが、ライフステージが変わることで考え方や重要に思うことがどんどん変わってきています。子供が生まれるなどのライフイベントは自分の価値観を大きく変えます。なので自分の今の価値観と軸をベースにやりたいことを考えていきます。
天職という考え方
自分に向いている仕事を天職と言ったりします。天職は人にとってそんなにないものと思われていて、しかも自分のやりたいことがはっきりしていない状態でそんな職業につくことができるでしょうか?
本書では職業を選ぶことについて不正解でなければ正解なのであると説明しています。不正解でなければよいのです。
ではどういった仕事が不正解なのでしょうか?
不正解な仕事は自分にとって決定的に向いてない仕事と説明されています。決定的に向いてないと言うのはどんな感じでしょうか。私が想像するに、大きな仕事をやりきったのに達成感がない、そもそも職場環境が劣悪、ブラック企業などでしょうか。
しかしこの辺りも働いてみないとわからないですね。とりあえずやってみてダメだったら撤退しましょう。
学校では教えてくれない世界の秘密
2章では学校では教えてくれない世界の秘密という怪しげな、ちょっと悪い感じのするタイトルです。自分のキャリアを考える上でどう言う影響があるのでしょうか。
そもそも人間は平等ではない
学校で人間が平等かどうかという議論がされるかどうかはわかりませんが、人間はいたって不平等であると言うことです。主に経済面の不平等さがわかりやすいでしょう。
時間はみな平等にあると言いますが、経済状況の違いによって時間の使い方も変わってくるわけでやはり平等ではありません。
平等でなくてよいのではと思います。みなそれぞれ自分のユニークな部分を自分で知り、それを強みとすることが大事なんだと思います。
著者はコントロールできる部分とできない部分に分けて、コントロールできる部分に注力すべきだと言っています。
コントロールできる部分は
- 己の特徴の理解
- それを磨く努力
- 環境の選択
の3つしかないと言っています。
なので、人はそれぞれ他の誰でもない、立派な自分になるしかないのです!
わたしも他の誰でもない、立派な自分になれるよう日々努力していきます!
資本主義の本質と構造
筆者は他の書籍でもよく資本主義の本質について述べています。
筆者が言う資本主義の本質は人間の欲です。人間の欲を満たすために努力すると言う仕組みなのでしょう。
資本主義の構造として、労働者と資本家がいます。わたしも労働者ですが、資本家になるためにどう言った方法があるのかを検討しています。いますぐには資本家に慣れないとしても、そういった選択肢もあるのだということを理解し、その分野に対してアンテナを貼っておくことが大事だと思います。
年収を決める要素
まだこれから働き出す場合は年収を決める要素を認識しておいた方がよい。ここを間違えるとどれだけ頑張っても年収があがらないといった問題にもなりかねない。
職能の価値 X 業界の構造 X 成功度合い
が年収を決める方程式と筆者は言っています。